佐久本あゆさんの新刊です。あ~もうこれ大好き!!!BL漫画の中ではライトな作品ではあるけれど、2人の気持ちに胸がざわざわしてしまいまいました。キュンもあるしぎゅ~っと切なくもなるし。
『友達ならずっとそばにいられる』というセリフってよく登場するセリフではあるんですよね。特にBLでは。恋人になれば別れがやってくるけれど友情ならば側にいられるという感じですよね。人と人とのつながりって、タイミングだったりめぐり合わせだったりすると思うんです。だから友情だから側にいられるなんてことも一生ではないと個人的には思ってたりするんですよね。
今回のストーリーは、この2人が『友情』から一歩先に進む過程はすごく良かったなぁと。DVな彼というのも出てきますが、内容的には重くない仕上がりでサラッと読めるかと思います。
フレンドライン/コミックス情報
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会社の同僚で友人の深水に、自分がゲイであること、同棲中の彼氏の英治に暴力を振るわれていることをカミングアウトした宮森。
その帰り道、二人は英治にばったり会ってしまい、宮森は殴られそうになってしまう。
それを深水が助けてくれ、そのまま家に泊めてくれる。
翌日、お金が貯まるまでの同居を提案してくれる深水の言葉に甘える宮森だったが、じつは入社当初は彼に想いを寄せていて……。
一途 |
ピュア |
泣ける |
ほのぼの |
あまあま |
★★★★☆ |
★★★★☆ |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
[voice icon="/wp-content/uploads/2016/12/bat37.png" name="藤雪" type="l"] フレンドライン 佐久本あゆ/KADOKAWA / エンターブレイン(2016年10月)
同僚 ノンケ×ゲイ 表題作のみ
友人から恋人へ 切ない 胸きゅん 当て馬が謎 ピュアラブ
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主な登場人物
深水(攻):宮森の友人でノンケ。情に厚く面倒見がいい。
宮森(受):仕事は完璧だが私生活は誰かに依存して生きてきた人。深水が好き。
英治:宮森の彼。暴力をふるう一面を持つ。(S?)
ハイライト・感想
今回は、同僚で友人だった2人のストーリー。
『俺ゲイなんだ』
そう話す宮森。ここからスタートします。
彼がずっと隠していたはずの『ゲイである』ということを告白するに至った理由は、2人で飲んだ帰りに宮森の彼氏である英治に出会ったことがきっかけです。
翌日、暴行を受けたような痕に気が付いた深水が、誰にそれを受けたのかを察してしまいます。そして再度出くわした英治に「俺たち付き合うことになった」と言って宮森と自分の家に連れて帰ったことから同居生活が始まります。
深水の方は最初は仕事での戦友みたいな感じで宮森の事を思っていたのですよね。だから自分は彼の力になりたいと。そして冒頭の宮森のカミングアウトに繋がります。
「お前がゲイなのはわかったし 妥協でつきあうのも理解はする」
「でも」
「それをお前が暴力を受ける事とは話が別だろ」
これはねぇ、、、自分のようなマイノリティな人間は相手がいるだけでありがたいと思うというようなことを言った宮森に対しての言葉ですね。
ワタシはこの言葉から徐々に宮森が深水の事を意識して好きになっていく展開なのかな?と思ってたんです。だけど違いました・・・・。
英治とは本当に妥協で付き合ってたんですね(;'∀')
宮森はずっと深水に対して特別な感情を持ってたんです。
深水はどうか。
深水は・・・友情なんですよね。なのですが!!!!友情をベースに徐々にその情を変化させていきます。
誰かに依存しなくては生きていけない
宮森って依存体質なのですよね。常に誰かに求められていたい、それが好きな人でなくても一人で居るよりははるかにマシだと思うタイプなんです。
それでも宮森は深水には依存しないようにしなければ!と思います。
(友達だって思ってくれているんだから)
この2人のあいだには『友情』というものが存在していてこれは壊したくないモノなんです。
友人としてなら一緒にいられる、笑ってもらえる・・・
宮森にとっては深水は、恋や愛とかそういうものでなくても繋がっていられるならばそれでいいとさえ思える人。
ここら辺の線引きが難しいんですよね。好きだという気持ちと友人でいたいという気持ちと・・・・。それがすっごく伝わってくるストーリーだったなぁと思います。
宮森視点で読むと・・・切ないんですヨ(´;ω;`)
英治は結局なんだったのかな?
そうそう・・・もう少しだけ英治がストーリーに加わってくるかと思ってたのですが・・・この子はわりとあっさりです。DV男ですが、この子のおかげで深水が宮森に対しての気持ちを自覚していったのかなとも思えます。
それに・・・宮森が誰かに依存しないように独り立ちしよう!と思えるきっかけを結果的には与えた人になる?ので意味があったかな・・・?
俺の方が大事にできるのに
後半。友情が形を変えていきます。
別れを告げに英治の家に行った宮森なのですが、ここでまた腕に痣を作って帰ってくるんですね。
それに気が付いた深水は・・・・
こんな事をされてもまだアイツの方がいいのだろうか?と勘違いしてしまいます。
(俺の方が 大事にできるのに)
それでも深水もただの友達だから言えないこともあるんですよね・・・。
「俺とつきあわないか?」
この言葉に宮森はびっくりし、断ってしまいます。同情でそんなことを言わなくてもいいと。
「おまえを大事にしたいって気持ちだけじゃダメなのか?」
そう伝える深水ですが、やはり友人でいたいと宮森は伝えます。
「俺・・・深水と終わる関係になりたくないんだ」
後悔はしたくない
溝ができてしまった2人。なのですが・・・・ここで深水が事故にあってしまいます。
この当たりは「死」を意識した時に気持ちに素直に生きたいと思うあるある展開でしたが、それでいいんです!!!
もしこのまま会えなくなったら・・・・「後悔しかない」。
毎日会えるのが当然だと思っているけどいつ何があるかわからないわけで・・・・
そして深水がきちんと「やっぱり俺 宮の事が好きなんだよな」って「好き」という言葉を口にするのも良かったデス。
それでも友達にこだわる宮森。
なぜかってね・・・付き合っても自分は長持ちしたことがないからなんだって。だから深水とはずっと一緒にいたいから友達がいいのだと・・(n´ω`n)
「俺とはずっと一緒にいたいって思ってんだな」
そう突っ込まれて赤面する宮森が可愛かった・・・・・・・(n´ω`n)スキ・・・💛
でもね。いつ何があるかわからないから後悔だけはしたくないと。この2人が手を取り合うカットは良かったなぁ~キュンでした。
嫉妬
もう後半は萌え萌えの展開です。ノンケの嫉妬大好物でございます!
ケガをしている深水ですが・・・・宮森とチューしてT子がヽ(。ゝω・)ノ☆おはよう☆
これを見た宮森は・・・もちろんご奉仕タイムです。
でもこの手慣れた宮森を見てね・・・嫉妬するわけです。ふふふ・・・・。
そして、向けられた宮森の目をみて彼がずっとずっと自分に対して好意を持っていたのだという事に気が付くんですね。ここね~深水が宮森のほほを手でスリスリするんだけれどすっごくこのシーン好き!
それに英治のところへ荷物とりに行くのについて行ったり、2人にしかわからない世界があるからと嫉妬したり・・・・深水のキャラいいなぁ!!!
二人のエロはもうかわいくてね。好きな人とつながった事のうれしさって自然にこみ上げてくるものなのだなぁ~って。宮森が可愛かったです。
Conclusion
もっと見たかったヨこの2人・・・・。191Pあるのだけれど本当にあっという間に読み終わってしまいました。早くくっつかないかな・・・って思いながら読んでたからかもしれない。
もう少し早めにくっついてイチャコラでも良かった(笑)←エロがみたいだけです。
いやいや、今回はゲイ×ノンケ、さらに友人というところからのスタートなのでじっくりと過程が描いてあって本当に面白かったです。英治の役割がイマヒトツな気はするけれどあまり悪さをするような子でなくてホッ・・・。痛いの嫌だからDV描写も直接的にはなくって良かったです。
友情から発展した情に・・・・なんだかキュンとなったコミックスでした。
全くもって重くはなくて、甘酸っぱいストーリーです。お互いが大切な存在であるところからすでにスタートしているので(友人として)この先へ気持ちが育つのを見守るというストーリーでした!友人から発展していくストーリーがお好きな人はぜひ読んでみてください。
そういえば・・・佐久本あゆさんの作品ってRenta!さん取り扱い少なすぎる・・・・。(不満)
絵柄も素敵だしかなり一押しなんですが。また楽しみにコミックス待ちたいと思います!
佐久本あゆ/コミックス情報